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ダイレクト通販マーケティング理論®を活用した売れるネット通販・ECサイト・ネットショップ構築講座

【第7回】4段構成のストーリーを作成する

 2017/08/14 ダイレクト通販マーケティング理論®︎
この記事は約 50 分で読めます。 867 Views
4段構成のストーリーを作成する_005

UVPの構文が完成したら、9マス自分史の箱の「栄光と挫折」「教訓」といった過去のエピソードの中からUVPに合う一点を切り出して4段構成のストーリーを作成していく必要があります。

なぜ、ストーリーで語る必要があるのか?

それは、ストーリーとして語ることこそが、小さな通販会社が顧客を大きく巻き込める唯一の方法だからです。

30年以上経った今でも、顧客心理を学ぶ上での良著とされ、マーケティングに広く活用されている『影響力の武器』(誠信書房)の著者ロバート・B・チャルディーニ氏の最新作『Pre-Suasion』(日本語版未発表)によると、人は次の順番で影響されていくそうです。

1)エビデンス(実証結果) 「Amazonランキング医薬品カテゴリー第1位」や「1000人中998人が効果があった」「当店薬剤師おすすめNo1」など第三者による実証結果。
2)パワー(権威) 「○○博士推奨」「厚生労働省認定」または、「トヨタ」「資生堂」など、社会的信用力の大きな人や会社、国のネームバリュー。または「社長の鶴の一声」も役職というネームバリューによるパワーの一つです。
3)ストーリー 会社の創業ストーリーや経営者や創業者の情熱や想い、行動など。
4)文化(世界) 人類が創り上げてきた歴史。
西村先生
そのうち1のエビデンスと2のパワーは大手企業のように資金力、社会的信用力のある会社にしか作ることができません。そのため、小さな通販会社が大手競合ひしめく市場で唯一無二の価値を創り出し、売上をあげるためには、UVPを作り、それをストーリーとして商品に投影して販売する必要があるのです。

4段構成のストーリーを作成する_001

前の手順まででUVPの構文は出来上がっているため、今度はそれを自身のストーリーとしてどのようにシンクロさせて語って行けばよいか、その方法論とやり方について詳しく解説していきます。

共感を呼ぶストーリーの法則とは?

通販ライターあいけん
ストーリーを作るということは、いわば僕の自伝的なショートストーリーを作るということでしょうか?
西村先生
そうです。
通販ライターあいけん
自分のショートストーリーですか・・・なんかそう言われると自信がなくなってきました。本当にそれで人の共感が生まれるのかなって・・・。
西村先生
あいけんさんはTV朝日で毎週日曜9時58分から放送している「しくじり先生 俺みたいになるな!!」という番組を知っていますか?
通販ライターあいけん
はい。あの番組、いつもなぜか感動させられるんですよね。
西村先生
そうでしょう。
通販ライターあいけん
「このしくじりから学んだことはこれです!」って出される教訓は、ごく当たり前の事が書いてある場合が多いんですが、なんかグッとこみ上げてくるものがあるというか、感動して「頑張れ!」って応援したくなってきますよね。
西村先生
そうなんですよ。実は、ストーリーを作るにも、作り方にある法則があるんです。。
通販ライターあいけん
えっ!?法則ですか!?
西村先生
そうです。あいけんさんにも「思わず何度も見てしまう映画やアニメ」「ついつい読み返してしまうような小説や漫画」などがあると思います。そういった世の中の感動的なストーリーは「神話の法則」という型を元に作られていることが多いんです。あのスターウォーズやドラゴンボールなども、多くの共感を呼ぶ作品はこの法則にのっとって作られているのは有名な話です。
通販ライターあいけん
まさか共感を呼ぶ作品にそういった法則があるなんて思ってもみませんでした。「神話の法則」とは具体的にどのような法則なのでしょうか?
西村先生
はい。実際には、「出立・離別」など難しい言葉で書かれているんですが、それを少しわかりやすくアレンジしたものが次の4段構成です。 
1 ピンチな状態
2 新しい目標と新しいビジョン
3 共通の敵 vs 新しい敵
4 必殺のキャッチフレーズ
通販ライターあいけん
すごい!共感を呼ぶストーリーの創り方が法則化されていることに驚いています。この4段構成で僕自身のストーリーを書いていけば良い訳ですね。
西村先生
はい。もう題材は、前回の9マス自分史の箱とUVP構文の作り込みで、ありますから、あとはそれを上記4段構成に配置していくだけで、あいけんさん自身の過去の体験からくる共感を呼ぶストーリーが作成できてしまうんです。
通販ライターあいけん
すごい!なんだかワクワクしてきました!
西村先生
では、早速作ってみましょう!

9マス自分史の箱を活用したストーリーの創り方

西村先生
実際にあいけんさんが埋めてくれた9マス自分史の箱と、UVPは下記通りです。

4段構成のストーリーを作成する_002

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西村先生
まず最初に行うことは、次の図のように、このUVPに合うエピソードを9マス自分史の箱の「栄光と挫折」「教訓」の中から探し出すことです。

4段構成のストーリーを作成する_004

通販ライターあいけん
なぜ、探し出す必要があるのでしょうか?
西村先生
人は人生の中で形を変えながら同じような成功と失敗を繰り返しています。その中でより自分の価値観(UVP)に近いエピソードを使った方がより一貫性が増すためです。
通販ライターあいけん
なるほどですね。
西村先生
では、早速あいけんさんの「栄光と挫折」、そこから得られた「教訓」を見てみましょう。これですね。
栄光 ・会社で敢闘賞を授賞
・結婚式の余興で動画作成と瓦割りの企画を行い大ウケする
・同期の送別会で動画作成を行い、同期を泣かす
挫折 ・会社での自分の存在に違和感を覚える
・投資に手を出して借金を始めて抱える
・上司がフランス人になり英語でのコミュニケーションに心が折れる
教訓 ・何事も最後までやりきる!
・完全燃焼する!
西村先生
このエピソードの中から、UVP「生きづらい世界を一生懸命生きる人にとって、夢と情熱が完全燃焼するための、ロマンで体中が満たされるサービス」に一番合っているなと思うエピソードはどれですか?またその理由も教えてください。
通販ライターあいけん
そうですね・・・。「やはり同期の送別会で動画作成を行い、同期を泣かす」というエピソードが一番UVPに近いと思います。その理由は、出来はどうだったかとは言え、自分自身が完全燃焼して最後までやりきった結果得られた体験だからです。「ここまででいいや」と思った作ったものと、自分の魂を燃やして「絶対感動させてやるんだ」という想いを持って作ったものとでは、全然違うんだという事をすごく考えさせられた出来事でした。
西村先生
いいですね。では、その体験をメインで使って、次の4段構成を組み上げていきましょう。
1 ピンチな状態
2 新しい目標と新しいビジョン
3 共通の敵 vs 新しい敵
4 必殺のキャッチフレーズ

 

ピンチな状態

西村先生
あいけんさんには前回人生マッピングで、24歳ぐらいに成功したこと(栄光)と失敗したこと(挫折)、そして挫折から学んだ教訓を書いていただきましたね。
通販ライターあいけん
はい。実際こんな僕のような普通の人間のしょぼい経験で良いのでしょうか?ちょっと不安になってきました。もっとしくじり先生のように浮き沈みがあった経験の方が良いのではないでしょうか?
西村先生
あいけんさん。言ったでしょう。結果から逆算しないことです。大丈夫です、浮き沈みが大きくても小さくても、リアルな成功と失敗に基いていることが重要なんです。とにかくやってみましょう。
通販ライターあいけん
はい。
西村先生
では、実際に24歳ぐらいで挫折したことをちょっと時系列で語ってみて。
通販ライターあいけん
はい。
僕は大学の機械工学科を出て、そのまま某商用車メーカーに就職しました。仕事としては自動車の外装部品の開発や設計を担当しており、優しい同期や先輩、上司に恵まれて、アフター5や休みは友人と飲みに行ったり、BBQなどレジャーを楽しんだり、いい社会人生活を送っていました。

しかし、社会人生活も2年がすぎ仕事にも慣れてきたころ仕事への情熱が薄れていっていることに気づきました。入社当初は社内で「敢闘賞」を授賞したり、特許の取得に取り組んだり、積極的に仕事に取り組めて、その頃は残業をさせられても特に何も思いませんでした。仕事がしたくて仕方なかったんです。しかし、だんだんと「えー残業かよーまあ、残業代でるしいっか」と思い「仕事に取り組む」というよりは「仕事をこなす」ようになっている自分がいました。

ちょうどその頃会社が海外の商用車メーカーに買収され、上司がフランス人になりました。その人は32歳という若さでマネージャーという職につきました。聞けば一生懸命勉強し、いい大学に入り、入社後も努力して、日本のものづくりを学びたいと自ら志願してやっと念願の日本への駐在を勝ち取ったのだそうです。

その人は積極的に日本語を勉強したり、最初は全く分からなかったものづくりについても積極的に取り組み、次第に周りからの信頼も得るほどになりました。その頃からです。自分の中に溜まったよくわからない無気力さの正体がつかめず、やがてイライラになり、意味もなくこのフランス人上司に暴言をはいてしまったり、勤務態度も誰よりも遅く出社して誰よりも早く帰るというすさんだものになっていました。当然会社での評価は真っ逆さまに落ちていき、かつて「相川くんは期待の新人だからね」と言われていた時に比べるとひどくやつれた顔をしていたと思います。精神は病み、話せば愚痴ばかり溢れる。しまいには、朝原因不明の腹痛や吐き気、発熱に悩まされることが多くなっていました。

通販ライターあいけん
これが24歳あたりで経験した「挫折」の1つです。
西村先生
なるほどね。仕事への情熱が薄れて、仕事が上手くいかなくなったんだね。
通販ライターあいけん
はい。
西村先生
このような挫折があって、挫折から立ち直るきっかけになった教訓が「何事も最後までやりきる!完全燃焼する!」ということかな?
通販ライターあいけん
そうです。先程紹介した挫折もそうですが、他の「投資に手を出して借金を始めて抱える」も「上司がフランス人になり英語でのコミュニケーションに心が折れる」も、僕が積極的に動いて取り組んでいればできたはずなんです。先程の仕事も、無気力になるのではなく、与えられた課題に積極的に取り組んで、途中で投げ出さずにやりきれば結果は違ったと思うんです。結局は自分が中途半端に取り組んで、投げ出してしまったことがすべて失敗の原因だと思います。
西村先生
なるほどね。自分の中で最後まで粘り強くやりきれなかったからが故の失敗だということに気づいたからこそ、「最後までやりきる!完全燃焼する!」という教訓を得られたんだね。その教訓に気づいたきっかけは何かな?
通販ライターあいけん
うーん。本当最近になってからですね。このままじゃだめだと思って、その頃から、自分が情熱を持って、寝食を忘れるほど没頭できる何かを探しはじめたんです。その時に「作家塾」という塾への参加をきっかけに、その塾を主宰していた師匠と出会います。この師匠との出会いがきっかけでライターとして活動を始め、これまでがむしゃらに活動してきました。その中でもお客様に納期が遅れて迷惑をかけたり、誤字脱字のしょうもないミスでお客様の信用を失ったりと、色々と失敗をしてきたんですが、全部共通して言えるのが「中途半端に取り組んで、途中で投げ出してしまったこと」が原因だと本当最近気づいたんです。
西村先生
なるほど。いいですね。きっと世の中にあいけんさんと同じように「なぜかよくわからないけれども入社当初のような仕事のモチベーションを維持できていない」という人は多いと思いますよ。

新しい目標と新しいビジョン

西村先生
では、次に「新しい目標と新しいビジョン」の部分を作っていきます。あいけんさんのビジョンは「生きづらい人を一生懸命生きる人を救う」だったと思いますが、おそらくあいけんさん自身が生きづらいと思っていた過去の挫折があるからこそ、あいけんさんが今持っているビジョンである「生きづらい人を一生懸命生きる人を救う」というビジョンがよりリアリティを持って相手に伝わるんです。
通販ライターあいけん
すごい・・・。特にビジョンはこういった過去の体験を意識して書いた訳じゃないのに、見事に過去の挫折とリンクしていますね。
西村先生
そうなんですよ。「ランダムに選んだ過去の一部分の挫折を切り出して本当にストーリーがつながるのか?」と不安になる方もよくいらっしゃるんですが、人は無意識のうちに同じタイプの失敗を違う形で繰り返しているんです。だからこそ、ランダムに選んだ過去の一部分の挫折であっても、ビジョンとがっちりリンクしていくという訳なんです。不思議ですよね。
通販ライターあいけん
本当に不思議です。でも、たしかに大学受験の時にも僕は本当は早稲田に入りたかったし、勉強を最後までやりきればきっと入れるだけの能力はあったと思うんです。また、就職活動時にも40社に落ちるという挫折をしているんですが、面倒になって面接の準備を怠ったためにことごとく失敗しています。すべて「最後までやりきらず中途半端で投げ出してしまった」ということが共通しています。こうやって無意識のうちに何度も同じ失敗を違う形で繰り返しているものなんですね。
西村先生
そうでしょう。おそらく、子供の時にも同じような失敗は繰り返しているはずですよ。
通販ライターあいけん
たしかに、高校受験のときも進学校への勉強よりもギターに夢中になって勉強を投げ出したせいで、ワンランク下の志望校へ進学することになったり、全部失敗のパターンが同じですね。本当に気味が悪いほど、共通しています。
西村先生
そうでしょう。では、あいけんさんのビジョンである「生きづらい世界を一生懸命生きる人を救う」というビジョンを持つきっかけだったり、エピソードについて少し話してみてください。
通販ライターあいけん
はい。
挫折をして「もうだめかも」と思った時に、いつも僕を励まし「頑張ろう」という活力をくれたのが小説や映画、漫画、アニメーションといったストーリー作品の数々でした。

物語自体に惹かれたというよりは、主人公や登場人物の生き様やセリフに共感して「俺も頑張ろう!」という気持ちになることが多く、そういったストーリー作品に今まですごく助けられてきたんです。

だからこそ、自分も何かストーリー作品のように、生きづらい世界を頑張って生きている人を応援していきたいと思ったんです。

通販ライターあいけん
これが、ビジョンを持つきっかけです。
西村先生
なるほど。今まで挫折した時に自分を励ましてくれたストーリー作品のように、同じような境遇で苦しいでいる人を救いたいと思ったわけですね!素晴らしいです!

共通の敵vs新しい敵

西村先生
次は「共通の敵vs新しい敵」を作っていきます。なぜ敵を作るのかわかりますか?
通販ライターあいけん
共通の敵を作った方が、より一丸となれるからですか?
西村先生
そうです。あまり倫理上はよくないのですが、共通の敵を作ると、その敵を倒すために一丸となりやすくなりますよね。この効果を利用しているのです。
通販ライターあいけん
共通の敵とはどういう事でしょうか?
西村先生
共通の敵とは一般的に常識だと思われていることです。例えば、一般的に楽してお金を稼ぐことは日本では悪だと思われています。このように、一般的な常識や、イメージなどがこの「共通の敵」となるわけです。
通販ライターあいけん
なるほど。では、新しい敵とはどういう事なのでしょうか?
西村先生
「新しい敵」とは、みなさん自身の”気づき”を指します。いわゆる今までの自分が常識にとらわれて気づけなかった事です。例えば、ネットビジネスでお金を何億も何十億も稼いでいる人を見ると、一般的には「楽してお金を稼いでいる」ように見えてしまいます。自分は毎日会社で一生懸命働いているのに「あいつだけなんで楽して稼いでいるんだ」と悪いイメージを持ってしまいがちです。しかし、実はネットビジネスは、寝ずに働いたり、日頃から挑戦と失敗を繰り返したり、人には見せないだけで相当な努力と忍耐強さがなければ成功できません。成功している人からすれば「楽してお金を稼いでいる」とは思ってないわけです。つまり、実は「楽してお金を稼ぐことは日本では悪だと思われているんだけれども、本当に悪なのは、ネットビジネスで成功している人たちが楽してお金を稼げていると思っている自分自身のステレオタイプなんだ」という新しい気づきが新しい敵となります。ここで注意しなければいけないのが、ここで一般的な常識やイメージを否定してはいけないということです。例えば、「楽してお金を稼ぐことは日本では悪だと思われている、でもその一般的な常識は間違っている」と真っ向から否定すると、否定された人は離れていってしまいます。そういった一般的な常識を認めつつも、新しい気づきを与えるような表現することが大切なんです。
通販ライターあいけん
「共通の敵」はなんとなく想像できるんですが、「新しい敵」ちょっと難しいですね。例えば僕の場合だとどうなるのでしょうか?
西村先生
そうですね。実際にあいけんさんのケースで共通の敵と新しい敵を作ってみましょう。
通販ライターあいけん
おそらく僕の共通の敵は「自分がうまくいっていないのは会社や他の人のせいだ」という一般的なイメージだと思います。
西村先生
そうですね。今までの話からすればそれが共通の敵となりますね。では、新しい敵はどうなるでしょうか?
通販ライターあいけん
新しい敵は、おそらく「自分自身の中途半端な行動を許してきた自分に甘い自分自身」だと思います。僕はかつて、自分がうまくいっていないことを上司や会社、周りの環境のせいにして、文句や愚痴ばかりを言っていました。しかし、実際は、そういった自分自身の中途半端な行動がすべての挫折の原因になっていることに気づいたんです。「自分の中途半端な行動を許してきた自分自身」という新しい価値観や世界観(その人の個性そのもの))が共通の敵となるのではと感じました。
西村先生
素晴らしい!この共通の敵と新しい敵を先程のように語ってみてください。
通販ライターあいけん
はい。
僕は、自分の人生がうまくいかないのは会社や人、環境のせいだと思っていましたが、実は一番の悪は、これまで自分の中途半端な行動を許してきた自分に甘い自分自身だということに気づきました。

必殺のキャッチフレーズ

通販ライターあいけん
必殺のキャッチフレーズとは何でしょうか?
西村先生
これは、いままでのストーリーから、自分がこれから本当にやっていきたいことを表します。例えばあいけんさんの場合だとどうなるでしょうか?
通販ライターあいけん
うーん。自分自身が情熱を持って取り組んで作った作品で、生きづらいと思っている人がワクワクするようなロマンを提供していきたいです!
西村先生
「ロマン」いいですね!「ロマンを提供したい」それが必殺のキャッチフレーズになります。ここで注意しておきたいのが、ここで言う「必殺のキャッチフレーズ」とみなさんが一般的に目にするキャッチフレーズ、キャッチコピーは違うということです。必殺のキャッチフレーズは、上手く言うことが目的ではなく「だからこそ○○なんだ」という締めの言葉という風に捉えてみてください。
通販ライターあいけん
なるほど。
西村先生
つまり「ロマンを提供する」手段として今ライターとして文章を提供されているのであり、また今後「ロマンを提供する」手段の一つとして通販をやっていきたいんだと言うことをストーリーとして一貫性を持って伝えることができるという訳なのです。これがストーリーで伝えることの「威力」です!
通販ライターあいけん
すごいです!ありがとうございます。

ストーリーの事例1〜あいけんの事例〜

西村先生
では、今日話したストーリーを先程紹介した4段構成にまとめて表にしてみましょう。各段少し長いので要点を絞ってもいいかもしれませんね。
通販ライターあいけん
はい。ちょっとやってみます!
1、ピンチな状態〜挫折〜 社会人生活も2年がすぎ仕事にも慣れてきたころ仕事への情熱が薄れていっていることに気づきました。入社当初は社内で「敢闘賞」を授賞したり、積極的に仕事に取り組めて、その頃は残業をさせられても特に何も思いませんでした。仕事がしたくて仕方なかったんです。しかし、だんだんと「えー残業かよーまあ、残業代でるしいっか」と思い「仕事に取り組む」というよりは「仕事をこなす」ようになっている自分がいました。
ちょうどその頃会社が海外の会社に買収され、上司がフランス人になりました。その人は32歳という若さでマネージャーという職につきました。聞けば一生懸命勉強し、いい大学に入り、入社後も努力して、日本のものづくりを学びたいと自ら志願してやっと念願の日本への駐在を勝ち取ったのだそうです。その人は積極的に日本語を勉強したり、最初は全く分からなかったものづくりについても積極的に取り組み、次第に周りからの信頼も得るほどになりました。ちょうどその頃からです。自分の中に溜まったよくわからない無気力さの正体がつかめず、やがてイライラになり、意味もなくこのフランス人上司に暴言をはいてしまったり、勤務態度も誰よりも遅く出社して誰よりも早く帰るというすさんだものになっていました。当然会社での評価は真っ逆さまに落ちていき、かつて「相川くんは期待の新人だからね」と言われていた時に比べるとひどくやつれた顔をしていたと思います。精神は病み、話せば愚痴ばかり溢れる。しまいには、朝原因不明の腹痛や吐き気、発熱に悩まされることが多くなっていました。
2、新しい目標〜ビジョン〜 挫折をして「もう社会人としてだめかも」と思った時に、いつも僕を励まし「頑張ろう」という活力をくれたのが小説や映画、漫画、アニメーションといったストーリー作品の数々でした。物語自体に惹かれたというよりは、主人公や登場人物の生き様やセリフに共感して「俺も頑張ろう!」という気持ちになることが多く、そういったストーリー作品に沢山共感し、涙を流したことで再び立ち上がることができました。だからこそ、自分も何かストーリー作品のように、生きづらい世界を頑張って生きている人を応援していきたいと思ったんです。
3、共通の敵vs新しい敵〜常識vs世界観≠常識の否定〜 僕は、これまで自分の人生がうまくいかないのは会社や人、環境のせいだと思っていました。「頑張っているのに、人生が上手くいかないのはこの会社にいるせいだ」と思っていました。しかし、実は一番の悪は、これまで自分の中途半端な行動を許してきた自分に甘い自分自身だということに気づきました。それに気づけたからこそ今の自分があるのだと思います。
4、必殺のキャッチフレーズ〜誰が言うのか〜 だからこそ、今度は過去の自分のように人生を生きづらいと思っている人が感動し、涙を流し、再び「頑張ろう!」とワクワクするようなロマンを提供する。
通販ライターあいけん
本当にこれで顧客を巻き込むことは可能なのでしょうか?ちょっと自分のことながら不安になってきました。
西村先生
大丈夫ですよ!多くの人が不安に思ってしまいがちですが、ストーリーには一体どれほどの力があるのか、実際に通販の事例をご紹介しましょう。

◉ストーリーの事例2〜松尾農園グループ代表松尾氏〜

西村先生
あいけんさんのストーリーだけではなく、実際に通販ビジネスを行っている松尾農園グループの松尾氏のストーリーも非常に参考なります。松尾さんは「にんにく」の生産販売を行っている素敵な経営者さんです!松尾さんのビジョンは「百姓は地球を救う」です。何もない状態でこれを聞くと「よくありがちだ」と思われてしまうかもしれませんが、次のストーリーを読んだ後ではどうでしょうか?ちょっと松尾さんのストーリーを読んでみてください。
はじめまして松尾農園グループの代表の松尾高生です。
私は百姓3代目になります。祖父の時代から始めた百姓ですが、当時はみかんの生産に力を入れておりました。
当時はまだまだみかんは珍しく、見た目重視のピカピカした綺麗なみかんは消費者に受け入れられ高い収入が得られておりました。
しかし、そのみかんを育てる背景には現在では劇薬に指定されるような農薬を大量に使う農法が一般的であり、農薬を散布した日には、頭痛や皮膚のかぶれに悩まされておりました。
その祖父の姿に、父は生産者がこのように体に悪い影響を与える農薬を使ってできた農産物を消費者は食べて健康に影響はないのだろうか?
もっと、作る人、食べる人が安心して食べられる農法はないのだろうかという疑問から、有機農法や減農薬農法の取り組みを始め、同じ志をもつ仲間とともに生協さんへの出荷を始めました。
その後、少しずつ有機農法での栽培も軌道にのってきた平成3年。オレンジの輸入自由化が始まりみかんの価格が暴落し始め、みかんの収益の減収をどうにかできないかと考えました。
そこで目をつけたのが、米の収穫後に作付けをおこなっていない田んぼでした。その裏作として、玉ねぎの生産を開始しました。
玉ねぎの生産ができるなら、おなじユリ科の作物であるにんにくも生産できないかとチャレンジが始まりました。
国内の一番の産地である青森から種を取り寄せましたが、気候が合わずに失敗の連続。そして3年の月日をかけてやっと八女の気候にあったにんにくに出会うことができました。
さて、私はというと小さいころは・・・
我が家は、お小遣い制ではなく、アルバイト制の幼少時代でした。
小学高学年になると、家の仕事を丸1日やったら500円と結構なお金をもらっていました。
(これを、近くの駄菓子屋の当たりクジ入りのガチャポンで一気に使い、一瞬にして一日のアルバイト代がなくなって
しまったのが、ギャンブル卒業のいい思い出です^^;)
高校、大学と進学するなかで、実家のアルバイトは続けていました。
雨の日は、父は事務所で書物をしておりましたが、ふらっと遊びにきた地域の方が、新しい商品についてのアドバイスを求められいろんな話をして、ワクワク元気な姿で帰られる様子を見ていると、父の仕事もなんだか面白そうと思っていました。
大学卒業後、食品関係やコンサル業務を行う会社の就職活動するなか、テレマーケティング会社へ就職入社4年目が入るころ、父より家の仕事を継いでみないかとアプローチを受けて平成17年に家業に就職小さいころからパソコンが好きだったので、社内のシステム化やコスト削減に取り組みました。
平成20年には私に大まかな事業の運用をまかせて、大好きだった畑作業の生産拡大にと意欲的に活動していきました。
ある程度順調に事業が進んでいたなか、父はくも膜下により急に戻らぬ人になってしまいました。
私が家業に入り4年目のことでした。
事業所のスタッフ、父の代からの生産者、お取引先等多くの方からたくさん支えてもらい、なんとか今日まで事業を続けて来ることが出来ました。
これまで受けたご縁をお返しをし、なにより先代まで続けてきた取り組みを後世まで続けていけるために平成23年に「株式会社 松尾農園グループ」と法人化を行い、翌年24年に農生産法人の認可を頂きました。
会社のテーマは「百姓は地球を救う」
後世の代まで常に夢を追い続ける大きなテーマを設定させていただきスタッフ一丸となり、生産、加工、販売を通じて、地域の活性化、海外の活性化を進めています。
父が手がけたにんにく生産を更に確立させるため、平成24年6月に農水省より『にんにくの機能性を生かした加工品の新規開発と自社生産・販売拡大事業』をテーマに六次化産業取組への認定を頂き、福岡県、更に、九州を一つとしてのにんにく生産による地域活性化を目指し、『九州にんにく生産振興協会』の設立を進めております。

 

通販ライターあいけん
ただ単に「百姓が世界を救う」と聞くのか、このストーリーを読んだ後に「百姓が世界を救う」を聞くのかでは深みが全然違います。「百姓が世界を救う」という裏にはどれほど熱い想いが詰まっているのだろうと、想像を掻き立てられワクワクしてきます!
西村先生
そうでしょう!これも先程の4段階のストーリー構成で作られていますから、なおさらだと思います。実際にお会いすると、すごく熱くまっすぐな想いにより心惹かれますよ!
通販ライターあいけん
実際にお会いしてみたくなりますね!
西村先生
これがストーリーの力なんです!分かっていただけましたか?
通販ライターあいけん
はい。理屈ではなく、体感としてストーリーの巻き込み力の凄みを知ることができました!

まとめ

西村先生
このように「ピンチな状況」「新しい目標・ビジョン」「共通の敵vs新しい敵」「必殺のキャッチフレーズ」という4部構成で作成することで、スターウォーズなどをはじめ、世の中の感動する作品に共通する「神話の法則」に従ってオリジナルストーリーを構築することができます。このように9マス自分史の箱とUVPをストーリーで語るということが「誰が言うのか?」にあたり、一番売上の大きさに直結していきます。この4段構成の文章を商品のホームページやランディングページに加えることによって、お客様に共感してもらい、単なる商品の性能や特徴の比較を飛び越えて「あの会社から商品を買いたい」と無意識に感じてもらうことが大切です。
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西村 公児

西村 公児

東証一部上場企業、年商600億円の大手通信販売会社で販売企画から債権回収まで通販実務を16年経験。その後、化粧品メーカーの中核メンバーとして5年マーケティングに参画。

年商253億円のニュージーランドのシンボルフルーツ企業の販促支援でレスポンス率を2倍にアップ。

講演会や主宰する10億通販塾の経営者、延べ300名以上に「ダイレクト通販マーケティング理論」及び、「LTVベルトコンベア理論」を提唱し、『熟練技術者による技能継承訓練』の認定研修講師として活躍。

更に、国内の注目ビジネスモデルや経営者に焦点を当てたテレビ番組「ビジネスフラッシュ」に出演、東洋経済オンラインに記事連載。

また、著書にはベストセラーとなった、伝説の通販バイブル(日本経済新聞出版社)、【小さな会社】 ネット通販 億超えのルール(すばる舎)がある。

現在、多摩大学 経営情報学部の非常勤講師として「ビッグデータの活用法」について学生に教える。

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