売れるネット通販サイトに必要不可欠な「Zの法則」と「Fの法則」
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Zの法則とは?
「Zの法則」とは、人が新聞広告やチラシ、Webサイトなどを見る際に、下図のように左上、右上、左下、右下と「Z」の文字を描くように視点を無意識に移動させてしまうという法則です。
Webサイトや、チラシ、広告などを作成する際には、このZのライン上に次のような重要な情報を配置すると顧客の目に入りやすく良いとされています。
- 企業名
- 企業ロゴ
- キャッチコピー
- ターゲット層の画像
- ターゲット層が抱える悩み
- ターゲット層の悩みに対する提案
- 証拠(権威付け)
- 数値
- 商品画像
- 安心感(返金保証、Made in Japanなど)
そのため、主にネット通販では、サイトのトップページや、Web広告、紙媒体の広告(新聞広告・雑誌広告・チラシなど)、でこのZの法則が活用されています。
売れているネット通販サイトを見ると、ほとんどこの「Zの法則」が使われています。
例えば次の2つの売れている通販サイトにもZの法則が使われています。
- 左上:数値(モンドセレクション金賞)・ターゲットメッセージ(擬音語などを使ってイメージしやすく)
- 右上:ターゲットモデル(目線は内側を向かせて、吹き出しを出す)
- 左下:商品画像(売れている間を出す)
- 右下:安心感
- 左上:数値(累計販売本数)、ターゲットメッセージ(実際の声で悩みを書く。部位を表す文字には目立つように工夫)
- 右上:ターゲットモデル(目線は内側を向かせて、吹き出しを出す)
- 左下:商品画像(登場感・売れている感を出す)
- 右下:安心感(3つの特徴など)
このようにZの法則は通販サイトのトップビューによく使われています。
Zの法則の活用例を分析して理解を深めよう
Zの法則は、紙媒体以外では、主にランディングページのファーストビューや、サイトのトップページに活用されます。
いくつか大手総合通販のサイトのトップページを例にZの法則がどのように活用されているのかを検証してみましょう。
このように、検証することで逆に自社のネット通販サイトでZの法則をどのように活用していけば良いかが見えてきます。Zの法則をより深く理解するためにも、様々なネット通販サイトで、どのようにZの法則が活用されているのかをベンチマークしてみましょう。
「楽天」の活用例(Zの法則)
例えば、大手総合通販サイトである「楽天」のトップページの図を見てみると、Zのライン上に次のような売上に繋がりやすい重要な項目を配置していることがわかります。
- 左上:企業ロゴ、行動喚起イメージ(父の日を思い出させるイメージ)、検索窓、送料無料
- 上ライン上:5つのキャンペーンバナー
- 右上:広告枠
- 斜めライン上:Rmagazine
- 左下:ジャンル、人気商品ランキング1位
- 下ライン上:人気商品ランキング1位〜8位
- 右下:本日のお得なキャンペーン
まずサイトを訪れた人が一番目にする左上を見てください。
ロゴと一緒に「父の日」の到来を伝えるイメージが設置されています。これは、訪問客にいの一番に「あっ、そういえばプレゼントを買わなければ」という行動を促す効果を狙っていると推測されます。
そして、その下には「送料無料・翌日配達」というオファー、すぐ横に「検索窓」を置くことで、行動を喚起された後すぐにプレゼントなどをすぐ顧客が検索できるようになっています。
また、同時に検索窓の少し下にある5つのキャンペーンバナーと右上の広告枠も目に入るため、行動を喚起された顧客が、5つのキャンペーンバナーと広告枠をクリックすることを狙っていることが推測されます。
このように、左上の最初の位置にロゴと行動喚起を配置し、そこから上ラインに沿って行動を起こしやすくする広告やキャンペーンなどを配置することで、より顧客が行動を起こすことを狙った配置になっています。
次にZの斜めのラインでは、Rmagazineという楽天側が訴求したいトレンドやメディアなどの新着ページが配置されており、上のラインで行動できなかった人に「行動するためのアドバイス」を伝えようという意図が読み取れます。
最後に、下のラインには、人気商品ランキングが左下から右下にかけて1位から8位まで表示、最後に本日のお得なキャンペーンで終わっています。
これも行動喚起された顧客がより行動を起こしやすいように配置していると考えられます。
ここまで検証してみると、楽天サイトは、一見ごちゃごちゃと情報が乱立しているように見えて、行動喚起をするイメージと、行動を起こしやすくする情報がZのライン上に表示されており、訪れた顧客が購買行動を起こしやすい配置になっているということが分かります。
Fの法則とは?
「Fの法則」とは、「Zの法則」と同様に人がWebサイトなどを見る際に無意識にアルファベットの「F」の字に沿って視点を動かしていくという法則です。
「Zの法則」は画像が多い場合や、インフォグラフィックスなどに使われますが、「Fの法則」は主に文章量が多い場合や、「Zの法則」で一通りサイトを見渡した後の視点の動きとして使われます。
そのため、主にネット通販では、サイトのコンテンツページや、個別の商品ページ、ブログやコラム、など文章量の多いWebページで活用されています。
Fの法則の活用例を分析して理解を深めよう
「Fの法則」は、Zの法則で一通りサイトを見た後の視点、もしくはブログやコラム、商品個別ページなど、文章量の多いページに主に使用されます。
主にネット通販で考慮すべきなのは、一番顧客の目につくTOPページです。
商品の個別ページには先ほどのZの法則と同様に、ライン上にどのような情報をおくかが大切になってきます。
一方で、TOPページにFの法則を活用する場合には、お客様が一度Zの法則でサイトを見た後であると仮定して情報を配置していく必要があります。
「Zの法則」と「Fの法則」でラインが重なる点は、何度も見られるポイントであると仮定できるので、そこにどのような情報をおくのかが重要なポイントです。
では、早速先ほどの「楽天」のトップページでどのように「Fの法則」が活用されているのかを見ていきましょう。
「楽天」の活用例(トップページ)
上図を見てみると、Fの法則では、一番最初に先ほどZの法則でも通った上のラインをもう一度通ります。
そして次にちょっと下に視点は移動し、さらにRmagazineの新着ページを右から左へと見ていくように、左から右へと視点が移ります。
最後には、「送料無料・翌日配達」と、先ほど少ししかラインにのっていなかった「商品ジャンル」を上から下に見ていくように視点が移ります。
ここまで詳しく検証してみると、上のラインの部分は、Zの法則と合わせて視点が2回通るため、行動喚起や行動を促しやすい広告やキャンペーンバナーを中心的に配置されているんだということがここで分かります。
また、縦線上は一番最後に顧客の視点がくる場所なので「最終的に行動を迷った顧客が商品ジャンルの中から選択することで次のアクションに写してもらいたい」という意味で商品ジャンルが掲載されていると考えられます。
以上より、楽天のトップページは、Zの法則だけではなくFの法則も考慮した情報の配置がされていることがよく分かります。
他の媒体でもZの法則、Fの法則を検証してみよう
このように、大手の総合通販サイトのみならず、単品リピート系の通販サイト(ランディングページ)でもZの法則、Fの法則が考慮されて情報が配置されています。
今回は「楽天」のトップページを例に、Zの法則とFの法則がどのように考慮されて情報が配置されているかを検証しましたが、ぜひ他の通販サイトに関してもご自身でZとFのライン状にはどのような情報が掲載されているのか?を見る癖をつけるようにしましょう。