【第5回】マンダラート発想法を使って思考を広げる
9マス自分史の箱を埋めていく過程で、重要になってくるのが、自分ではなく他人からのフィードバックの⑤⑥⑦の欄になります。
なぜなら、自分が考える自分と、他人から見る自分は違っていることが多々あるためです。
自分のことは自分が一番知っているようで、一番知りません。なぜなら、自分が「これが私だ」と理解している性格や印象、イメージなどは全体のごく一部にすぎないためです。
例えば、他の人から「お前って本当頑固だよな」「お前って本当すぐ怒るよな」と自分では思っても見なかったフィードバックに思わず反発してしまった経験はありませんか?
実はこういった他人からの無責任なフィードバックの方がより自分自信を的確に表していることが多く、またこのように他人からのフィードバックに反発してしまうことが多いということは、それだけ自分の思っている自分像と相手から見た自分像のズレが大きいということを表しています。
そういったズレを無くし、より本質的なUVPを作り込むためには他人からの無責任なフィードバックが必要不可欠なのです。
また、ビジネスにおいて、自分は自社を表し、他人はお客様を表します。
つまり、自社の行動や振る舞い、想いなどが商品を通してお客様に届いた時に、それらに一貫性がなく違和感が感じられた場合、商品は売れません。
だからこそ、自分と他人の印象やイメージのズレを他人のフィードバックを利用して修正しておく必要があるのです。
また、他人からみたフィードバックにより自分の中に今まで無かった言葉や表現が見つかるかもしれません。
「自分の枠を越える」という意味でも、この他人からの無責任なフィードバックは大切になります。
しかし、フィードバックもお互いにワードが浮かんでこなかったり、もやもやして文章にならなかったりで書き出せず、止まってしまうことが良くあります。これは思考が左脳に偏ってしまっているためです。
このような状態を改善するためには、お互いに頭を柔らかくして、右脳で発想していくことが大切です。
しかし、これは自分で狙ってできるものではありません。これをゲーム感覚で行えるのが右脳発想法「マンダラート」です。
本記事では、9マス自分史の箱の⑤⑥⑦で行き詰った時にやっていただきたい、右脳発想法「マンダラート」を活用した⑤⑥⑦のフィードバックのやり方についてご紹介いたします。
右脳発想法「マンダラート」とは?
右脳発想法「マンダラート」はデザイナーの今泉浩晃氏によって開発された右脳発想法です。
なかなかアイデアが浮かばない時にアイデアを発想しやすくしたり、一つの物事を深く深く掘り下げていき思考を深めることができる発想手法の1つです。
2010年5月25日に社団法人日本建築学会が刊行した『日本建築学会近畿支部研究報告集.計画系 第50号』によれば、立命館大学建築系の大学生・大学院生100名を対象とした、特性要因図やポジショニング法などを含む19手法の比較実験の結果、マンダラート発想法は「アイデアの量が増える」「意見の共有、組み合わせ」などの点で効果が得られたという報告があります。
このように、マンダラート発想法はだれでも簡単に自分の発想の枠を越えることができる右脳発想法なのです。
右脳発想法「マンダラート」の基本的なやり方
マンダラート発想法は基本的には次の1〜4のような手順で行っていきます。
基本的なマンダラートのやり方
手順1 | キーワードを3☓3のマスの真ん中に置く |
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手順2 | 真ん中のキーワードから連想されることを周りに書き出していく |
手順3 | 9つのキーワードそれぞれを3☓3のマスの真ん中に置く |
手順4 | それぞれ真ん中のキーワードから連想されることを周りに書き出していく |
9マス自分史の箱に活用する場合(クラッシュ※1させる)
※1:「クラッシュ」とは、深く考えずに頭によぎったキーワードを勝手気ままに書き出すことです。
手順1 | 自分から見た自分の印象を表すキーワードを書き出す |
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手順2 | 相手から見た自分の印象を表すキーワードを書き出す |
手順3 | 手順1、2で作ったそれぞれのキーワードから2つずつ(※1つの場合もある)気になるキーワードをピックアップし、それぞれ3☓3の真ん中に置く |
手順4 | それぞれ真ん中のキーワードから連想されることを周りに書き出していく |
手順5 | その中からそれぞれ2つずつキーワードを選び、そのキーワードを使って文章を作っていく |
教訓 |
何事も最後までやりきる!完全燃焼する! |
チームから見たその人の印象 |
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- 真面目
- 人懐っこい
- 闘志
- 自信がない
- よく喋る
- 多動的
現在大切にしている考え方 |
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- 完全燃焼
- 仁義礼徳
- 吹っ切れる
- 情熱
- メリハリ
- ワクワク
- 仕事
チームから見た大切にしていると感じる考え方 |
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- 義理人情
- 夢
- 理想
- 情熱
- 仕事
○○を△△する志のビジョン |
しがらみの多い人を救う |
- しがらみ
- 救う
チームから見たビジョン |
世界をワクワクさせる |
- 世界
- ワクワク
③+⑤のキーワード |
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④+⑥のキーワード |
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①+⑦のキーワード |
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まとめ
いかがでしたか?
このように、マンダラート発想法を取り入れることによって、自分からみた自分の印象だけではなく、相手から見た自分の印象をも含んだキーワードになります。
そのため自分から見ても、他人から見ても違和感のないUVPを構築するためのキーワードを作り出す方法としては非常に有効です。
ぜひ、9マス自分史の箱を使ってUVPを構築する際には、このマンダラート発想法を活用してみてください。