なぜ売れない?売れるハンドメイド商品の6つの共通点
ここ数年、ハンドメイド市場が急激に活性化してきています。
そのブームの火付け役ともなっているのが、登録するだけで誰もが自分のハンドメイド作品をネット販売できるハンドメイドマーケットプレイスという便利なサービスを提供するminne(ミンネ)やcreema(クリーマ)です。
そのため、趣味で作ったアクセサリーやネックレス、バッグや財布、雑貨などを販売していきたいと考えている方は多いのではないでしょうか。
しかし、ハンドメイドマーケットプレイスには数万点、数十万点の作品が出品されており、登録している作家数も数万以上にのぼります。
「ハンドメイド作品を出品してみたけれど全く売れない・・・」「SNSやブログ、ネットショップと頑張ってプロモーションしてみたけど全然売れない・・・」と途中でやめてしまう方も多いのが実情です。
しかし、ハンドメイドマーケットプレイスでは月に数十万〜数百万円の売上をあげている人気作家が次々と誕生しているのも事実です。
現にminne内で年間100万円以上を売り上げているハンドメイド作家数は1,673名もおり、これは、2014年からみて10倍近くの増加になるそうです。
実は、ハンドメイド市場はただ作品が良いからという理由だけでは売れません。実は売れるハンドメイド商品にはある5つの共通点が存在するのです。
本記事では、ハンドメイド商品の売れ筋や売れるハンドメイド商品お5つの共通点をご紹介いたします。
Contents
ハンドメイド商品を買う人のニーズとは?
売れるハンドメイド商品の6つ共通点
共通点1:販売するハンドメイド商品のジャンル
基本的に手作りであればハンドメイドマーケットプレイスに出品することはできます。
例えば、日本最大級のハンドメイドマーケットプレイスminne(ミンネ)には次のような商品ジャンルが存在します。
【引用元:minne(ミンネ)】
また、同じく日本最大級のハンドメイドマーケットプレイスcreema(クリーマ)にも次のような商品ジャンルが存在します。
【引用元:creema(クリーマ)】
このように、実に様々なジャンルの商品が出品できるのですが、実はハンドメイド商品には「売れるジャンル」というものが存在します。
売れるジャンルは「雑貨・小物」「アクセサリー」です。
普段日常的に使うような雑貨や小物、気軽に身につけられるアクセサリーなどが売れ筋商品ジャンルと言えます。
一方で、売れないジャンルは「アート・作品類」です。
例えば絵画や、置物、などそれが実用的な商品ではなくその作家の「アート作品」になってしまうと売れにくくなるという傾向があります。
共通点2:商品のクオリティの高さ
西村先生:minne(ミンネ)で売れているハンドメイド商品を見てみると、そのクオリティの高さに驚きます。例えばminne(ミンネ)でアクセサリージャンルで検索をしてみると手作りとは思えないようなクオリティの商品が作家さんによって出品されています。
【引用元:minne(ミンネ)】
※ただし、届いた商品と、写真が違うとそれだけでクレームになるので、ちゃんとプロにお願いするのは良いですが、実物が良く見えすぎるように加工したりするのはやめましょう。
共通点3:価格設定
minneを運営するGMOベパボ株式会社の2017年12月期の決算説明会資料によれば、今現在minne(ミンネ)内での平均注文単価は2,930円となっています。
価格を高くしすぎても売れなくなりますが、あまりにも安すぎる場合には、購入者によっては「安いとそれだけクオリティが低いのかも・・・」と疑われてしまい、購入されにくくなってしまう場合もあります。
まずは同じような商品を他の人がどれくらいの価格で販売しているのか、その中でも人気作家さんたちはどれくらいの価格で販売しているのかをリサーチして、同程度の価格設定を行うようにしましょう。
もし制作費などの関係で高くなってしまうのであれば「なぜ、この値段なのか?」「どこにこだわっているから高いのか?」をしっかりと商品説明欄に書いておきましょう。
共通点4:ハンドメイド作家としての在り方・見せ方
商品が良いだけではなかなか売れません。
むしろ作家さんがどんな想いでこの商品を作ったのか、どういう想いを商品にこめているのか、など作家さん自身がハンドメイド商品に想いを投影できているかどうかが重要なのです。
実際に売れている作家さんの多くは、その商品への想いや商品の製作に至った経緯などを語り共感をあつめています。そういった共感こそが、モノが売れる最大のトリガーになるのです。
例えば、同じ商品であったとしても、作家さんが自分のハンドメイド商品に込めた想いがしっかりと語らた商品の方が売れます。
また、それが多くの人の共感を集めれば、「この商品が欲しい」という状態から「この作家さんの商品が欲しい」「応援したい」というファンにつながります。
ファンとは「その作家さんのことを好きな人」ではなくネット通販では「人から人へ自然と口コミをしてくれる人」なので、自然と口コミで商品が広まっていくという訳なのです。
人気のある作家さんと全く同じものを作っても売れないのは、ユーザーがそれを「商品」として買っているのではなく、その中身にある「あの作家さんの作った商品」という価値を買っているためなのです。
実際に、次の調査結果のように、約60%以上の人が、商品の背景やストーリーまで含めて商品の価値を評価し消費行動をしていると言う「モノ(所有)」から「コト(体験)」を重視する世の中にシフトしてきています。
【引用元:経済産業省「消費者理解に基づく消費経済市場の活性化」研究会(消費インテリジェンス研究会)報告書】
また、商品が溢れすぎて「このアクセサリーに使われている鉄は・・・」「価格が同じような商品よりも100円安い」など性能では差別化しきれない世の中になってきています。
特に、ハンドメイド商品を買う人の多くは「唯一無二の価値」を目的に購入しますから、こういった製作者の想いを投影した商品企画が必要になってくるという訳なのです。
共通点5:プロモーション活動
minne(ミンネ)やcreema(クリーマ)のようなハンドメイドマーケットプレイスでは、年間数十億〜数百億の取引が作家さんと購入者さんの間で行われていますが、そこに出品したからと言って売れる訳ではありません。
売れているハンドメイド作家の多くはinstagramやtwitter、facebookなどのSNSや、「ハンドメイドインジャパンフェス」や「minneのハンドメイドマーケット」、その他のローカルなリアルイベントにも積極的に参加をして、情報を発信しています。
ただ、minne(ミンネ)に出品するだけではなく、こうした情報発信などを行い、購入者の方と積極的にネット、リアル両方でコミュニケーションしていくことが大切です。
ハンドメイド作家のSNS発信のコツ
共通点6:お客様フォロー
ハンドメイドマーケットプレイスを使った簡単な商品売買であっても、お金を払う購入者にとってはお店から買っているのと同じです。
そのため、購入後の梱包や発送、同梱物(※商品と一緒に入っている特典)などのお客様フォローが非常に重要になってきます。
例えば売れている作家さんの多くは、梱包の仕方や発送のスムーズさ、同梱物といった特典などで購入者にサプライズを仕掛けている方が多いです。
これは極端な話ですが、もしあなたがハンドメイドの革財布を購入して、商品が木箱に入り、さらには「長財布に小銭を入れるのは金運的にあまりよくないそうです。この長財布を作った歩留まりの革で小さいですが革の小銭入れを作りましたので、よければ一緒に使ってください。この度はご購入いただきありがとうございます。長くご愛用いただければ幸いです」など手書きの手紙と一緒に小銭入れが入っていたらどうでしょうか?
買った時のお客様の期待を、商品や梱包、特典などで上回ると、お客様は感動してファンになってくれる可能性が高くなります。
また、先ほどの例の手書きの手紙などからも「この人は本当にいい作家さんだ」と伝わります。
このように、商品を購入してくれたらそれで終わりではなく、実際の商品に特典をつけてみたり、商品に込めた想いが伝わる小冊子を入れたり、手書きの手紙を入れたり、ちょっとした手間をかけたお客様フォローをすることで、ファンを得やすくなります。
また、こういったサプライズはSNSなどで「この作家さんから買ったら、こんなに特典が!本当買ってよかった!」などシェアされる可能性もあり、口コミのきっかけにもなります。
売れる商品を作ることも大切ですが、いかにお客様を色々な事で感動させるか、そういったお客様コミュニケーションも売れる商品を作るためには大切な事なのです。
商品がよければ売れるというものではない
ハンドメイド商品の販売は、商品がよければ売れるという訳ではありません。
商品が良いこと、作家さんの想いなどが投影されていること、そしてお客様とのSNSやイベント、購入後のやりとりなどのコミュニケーションすべてが揃って初めて、売れる商品になっているのです。
このような事を理解せずに「ただ作って出品すれば売れる」と思って販売していては、いくら商品がよくても売れません。
売れる仕組みをしっかりと作った上で、販売していく必要があるのです。